イラク国際戦犯民衆法廷
李長煕判事個別意見
(韓国外国語大学法学部長)
世界平和を求める市民国際連帯の構築のために
1. 二十世紀だけでも一億人以上の人たちが国際紛争と非国際紛争の中で命を失った。この現実にはもう一つか過酷な面があるが、それはこの統計の重要な部分が民間人の被害であるという事実である。
2. 冷戦体制の終焉後、われわれ、世界の民衆全ては、法の支配に基づく国際社会を期待した。しかし、残念ながら、われわれは米国が一方的に野蛮な軍事力を使用して国際社会をますます制圧していることに気がつき、悲しんでいる。例えば、米英の軍隊はイラクの地を2003年3月20日に攻撃したが、これは国連安全保障理事会の決議や他の国際上の根拠もなしに行われた。それにより、ジョージ・ブッシュ米大統領とトニー・ブレアー英首相はICTI規程第2条により侵略の罪を犯した。この判決は絶対的に完全である。
さらに米国はいまだに国際刑事裁判所規程を批准していない。それどころか、米国はほとんど90に上る国々に圧力をかけ、米兵が国際刑事裁判所の訴追を受けなくてすむよう、免除されるよう2国間協定を結ばせたが、これは国際刑事裁判所と協力しなければならないとする締約国の義務に反するものである。国際社会のリーダーとして米国は法による支配に基づいた国際社会を築く努力をすべきである。
3. そこで、世界の平和を愛する人々は、今日、世界平和の第一の敵は米国であると信じている。その理由は米国の一方的な軍事力行使が国連憲章の第2条3項、第33条(平和的な論争の解決)に違反しているからである。例えば、イラクに対する米国の軍事侵略は国連憲章と国際法を徹底的に違反している。
4. われわれはいかにすれば、米国の一方的な軍事力を未然に防ぐことができるか。イラク戦争が始まった頃、ドイツとフランスは米国の一方的なやり方に反対した。しかし、米国の一方的なやり方を止めるには限界があったようだ。
5. 今日、世論は否定しがたい役割を担う。特に国際人道法に関しては、これまでも見られたように影響力があった。民衆法廷の判決と勧告はイラク戦争における米軍の違法かつ非道徳的な活動と犯罪の証拠を明らかにすることによって国際世論を動かすことができる。何故ならば、民衆法廷は国際社会で民衆を説得する強い道徳的な力を有しているからである。これから一番大事なことは、どうやってわれわれがICTIの判決と勧告を国際社会で実現していくかであろう。
6. 武力紛争下で人間の尊厳を尊重する国際人道法や他の規則の実施と遵守を強化する闘いは文明と野蛮の闘いである。そしてICTIも一種の闘いである。これはコミュニケーションと価値の実施であり、そこでは文化の発達した国々と文明人たちが世界市民として法の支配についての利益を共有する。この観点から言えば、NGOは文明人を代表する。国際社会における文明人の役割はまだ発展段階であるが、その挑戦は大きく、われわれにとって機会は多数ある。
7. われわれは世界平和のために市民国際連帯を築き、ICTIの判決と勧告の実施を監視させ、法による支配に基づいた国際社会を築きあげていこうではないか。